深夜の地下鉄で突然の手に震えた恐怖と屈辱
あかり、19歳、大阪
終電間際の御堂筋線。 なんば発、梅田行き。土曜の午前1時半過ぎ。 車内はまだ人がそこそこいて、酔ったおじさんや疲れた顔の会社員、スマホに夢中の大学生……いつもの終電の匂い。
私はいつものようにつり革につかまって、スマホの画面をぼーっと見ていた。 イヤホンからは音楽が流れているけど、ほとんど頭に入ってこない。
ふと、視線を感じた。 斜め後ろ左、2メートルくらい離れたところに立ってる男。 30代半ばくらい、スーツはちゃんとしてるけどネクタイが緩んでて、疲れた目。 最初はただの酔っ払いだと思った。
でも目が合った。 私がすぐに逸らしたのに、 向こうは逸らさなかった。 じっと、こっちを見下ろすように見つめてくる。
……気持ち悪い。 そう思った。 なのに、なぜか体が動かなくなった。
次の駅で人がかなり降りて、急に周りが静かになった。 私とその男の間に、ほとんど誰もいなくなった。
電車が動き出した瞬間、 男が一歩近づいてきた。
心臓がうるさい。 「やめてください」って言おうとした。 でも喉がカラカラで、声が……出ない。
男の手が、腰のあたりに触れた。 最初は「偶然かな」って自分に言い聞かせようとしたけど、 次の瞬間、指先がスカートの生地の上から、ゆっくりとお尻の丸みをなぞり始めた。
「っ……!」
小さく息を飲んだ。 周りを見回しても、誰もこっちを見ていない。
男の指がさらに動く。 スカートの裾を少し持ち上げて、ストッキングの縁を指でなぞる。 冷たい指先が太ももの内側に滑り込んだ瞬間、
「……やめて」
やっと声が出た。 でも小さすぎて、自分でもほとんど聞こえないくらいだった。
男が耳元で低く囁いた。 「声、出してもいいけど……周りに聞こえたらどうする?」
その一言で、頭の中がぐちゃぐちゃになった。
嫌だ。 気持ち悪い。 こんなことされたくない。 なのに、 体が……熱い。
男の手はもう止まらなかった。 ストッキングの上から、指でゆっくり割れ目をなぞる。 布越しなのに、濡れてるのが自分でも分かって、 恥ずかしくて、死にたくなった。
「やめて……って、言ってるのに……」
小声で何度も繰り返す。 でも男は逆に腰をがっちり掴んで、逃げられないように固定してくる。 指がストッキングの股の部分を強く押し込んで、クリを布越しに擦り始めた。
「んっ……! やっ……」
体が勝手に跳ねる。 嫌なのに。 こんな人に触られてるのに。 なのに、下腹部がきゅうっと締まって、熱いものが溢れてくる。
……言いたくない。 こんなこと、絶対言いたくない。
「やめてください……お願い……」
涙目で訴えるけど、声が震えてて、 全然説得力がない。
男が耳元でまた囁く。 「嫌がってる顔、すごく可愛い。 もっと我慢してみて」
その言葉が、胸に突き刺さった。 屈辱で頭が真っ白になる。 なのに、ストッキングがびしょびしょになって、指が滑る音が自分にだけ聞こえてくる。
爪先で軽く弾かれるたびに、膝がガクガク震えて、 立ってるのがやっと。
「……もう……だめ……」
本当はもっと強く「やめて!」って叫びたかった。 でも、 もし大声出したら、 周りの人に何されてるかバレちゃう。 それが怖くて、 それ以上に、 自分がこんな状態になってること自体を、 誰にも知られたくなくて。
電車がカーブで大きく揺れた瞬間、 男の指がストッキングの縫い目をずらして、直接触れた。
「ひゃっ……!」
思わず声が漏れて、慌てて口を押さえた。 男が小さく笑う。
……言えない。 こんな気持ち、言葉にしたら終わりだ。 認めたら、もう取り返しがつかなくなる。
次の駅のアナウンスが流れた。 男は急に手を離して、何事もなかったように一歩下がった。
私はまだ息が上がってて、太ももの内側がぐっしょり。 ストッキングから滴が落ちそうなくらい濡れてて、スカートの裏まで湿ってる。
ドアが開いて、男は私に一瞬だけ目を合わせて、 小さく笑った。
そのまま降りていった。
私は次の駅まで、震える足で立ってた。 降りた瞬間、ホームのベンチに座り込んで、膝を抱えた。
下着もストッキングもぐちゃぐちゃで、 座った瞬間に座席に染みができてしまうくらいだった。
でも、一番辛かったのは、 頭の中をぐるぐる回ってるこの気持ち。
「……もう一度、されたい」
って、 ほんの一瞬だけ、心の奥で思ってしまったこと。
言えない。 絶対に、口に出せない。 認めたら、自分が壊れちゃう気がする。
今でも、あの深夜の電車の揺れと、知らない男の指の感触を思い出すたびに、 体が勝手に熱くなって、 同時に、ものすごく自分が汚く感じる。
……言えないよ。 こんなこと、誰にも言えない。

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