娘の恋人と目が合った瞬間──十年の沈黙を破った“女”の記憶

最愛の娘の彼氏と、大痙攣エビ反り性交に溺れた私。 大島優香

十年の沈黙を生きてきた母が、娘の幸福を願うあまりに抑え込んでいた“女”としての心を思い出す──。
孤独と母性、そして罪のあいだで揺れる心理を繊細に描いたドラマ作品。
登場人物の視線、沈黙、指先の震えに込められた感情の濃度は圧巻で、
観る者の心に“愛と赦し”の痛みを残す。
単なる官能を超えた、成熟した女性の人生を描く人間ドラマとして秀逸。



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【第1部】沈黙の十年──娘と過ごした街で、私は“女”を思い出した

雨上がりの夕方、ガラス越しに沈む陽の光がリビングの白い壁を朱に染めていた。
新潟で暮らす私は、四十二歳になっていた。名前は志帆
シングルマザーとしての十年は、まるで砂を噛むような静寂の連続だった。

娘の真由はこの春、大学を卒業して東京で働き始めた。
彼女を送り出した後の部屋は、不思議なほど広く感じられた。
家具の隙間に残るのは、娘の髪の香りと、私の知らなかった時間の重み。

仕事帰り、駅のホームでふと鏡に映った自分を見た瞬間、胸の奥がざわめいた。
「誰……?」
頬の張りは失われ、唇の色も褪せていた。
けれど、その鏡の奥に、まだどこかで息づく“女”の輪郭を感じた。
それは、かつて愛された記憶ではなく、
誰にも触れられないまま眠っていた“疼き”の記憶。

週末、娘が恋人を連れて帰ってきた。
名前は航太
長身で、まだ少年の影を残した青年。
笑うと左頬に小さなえくぼが浮かび、視線が合うたびに私の心臓がわずかに跳ねた。

「母さん、聞いてる?」
真由の声で我に返る。
彼の視線が私の指先に落ちていた。
仕事で荒れた指。誰も触れないままの、孤独の跡。
その瞬間、私は悟った。
この静けさの奥に、何かが沈みかけている、と。

その夜、寝室のドアを閉めたあとも、彼の声が耳の奥で響いていた。
低く柔らかなトーン。
それがまるで、私の封じ込めてきた何かを撫でるように。

「……もう、やめて」
自分にそう呟いた。
けれど、指先は止まらなかった。
頬をかすめた熱は、涙なのか、それとも別の何かだったのか。

【第2部】指先の記憶──触れてはいけない温度に、心が滲む

翌朝、カーテン越しの光が薄く部屋を包んでいた。
テーブルの上には、真由が淹れていったコーヒーの香りがまだ残っている。
けれど、隣に座っていたのは娘ではなく──昨夜、遅くまで話し込んでいた航太の気配だった。

彼の笑い声、湯気の向こうで光る瞳。
「お母さんって、真由に似てるんですね」
そう言われた瞬間、胸の奥に小さな痛みが走った。
似ていると言われたのに、どこか別の意味を含んでいるように聞こえた。

あの夜から、空気が変わった。
同じ部屋にいても、何かがずれていく。
息を吸うたびに、見えない膜を破るような感覚。

洗濯物を干していた昼下がり、
背後に気配を感じた。
振り返ると、航太がそこにいた。
「手伝います」
その言葉の距離が、やけに近かった。

陽射しの中で指が触れた。
ほんの一瞬。
けれど、その瞬間、時間が軋んで止まった。

指先に伝わるのは、若い体温。
十年の孤独が一瞬で溶けていく錯覚。
息が浅くなる。
身体のどこかが、覚えてはいけない感触を思い出そうとしていた。

──その夜、眠れなかった。
胸の奥で波が立ち、波打ち際に残る砂のように思考が崩れていく。
理性が「母親」として私を縛ろうとする一方で、
別の声が囁いた。

「あなたは、まだ生きている」

それは、私自身の声だった。
夜風がカーテンを揺らすたび、彼の笑顔が脳裏に浮かぶ。
見つめるだけで、喉が渇く。
その渇きこそが、私が“女”として再び息をしている証だった。

【第3部】赦しの温度──罪を抱いて、私は息をした

あの午後から、季節が静かに変わった。
木々の葉は淡く色づき、風が冷たくなった。
けれど私の中だけは、あの日から止まっていた。

真由の結婚式の準備が進み、
私は母としての顔を取り戻すはずだった。
けれど、鏡の前に立つたび、
その奥に別の私が映る。
「誰かに触れたい」と願ってしまう、
まだ女である私。

航太と再び会ったのは、偶然だった。
駅前のカフェ。
彼は白いシャツを着ていて、
あの日のように穏やかに笑った。

「お母さん、元気そうですね」
その声を聞いた瞬間、
胸の奥で何かがほどけた。
懐かしさと痛みが一度に押し寄せる。
私は笑おうとしたが、喉が震え、言葉が出なかった。

彼の視線が、私の手元を見つめていた。
テーブルの上、コーヒーカップを握る指。
彼の視線が触れただけで、
まるで指先に温度が戻るようだった。

「……あの時のこと、忘れてません」
小さく、けれど確かな声だった。
私の中で、過去と現在が重なった。
罪の輪郭が、優しさの形をして滲んでいく。

――私も、忘れていない。

声にはならなかったが、
その沈黙の中で、
私たちはすでに語り尽くしていたのかもしれない。

外では雨が降り出していた。
ガラス越しに見える街が滲み、
通りを行き交う人の傘の群れがぼやけて見えた。

雨音の中、私は思った。
欲望は罪ではない。
誰かを強く想うことは、生きることそのものだと。

彼とはもう会わない。
それが、私の選んだ“赦し”だった。
けれど、彼の温もりは、私の中に確かに残っている。
それは消せない火種のように、
夜の静けさの中で微かに灯り続けている。


【まとめ】愛と罪のあいだで──それでも私たちは生きていく

人は誰しも、心の奥に踏み込んではいけない場所を持っている。
そこに光が差したとき、罪は痛みではなく、
ひとつの“生”の証へと変わるのかもしれない。

母として、女として、ひとりの人間として――
私は愛と罪を抱きながら、
それでも今日を生きている。

その微かな熱こそが、
失われた十年を越えて、
私を再び“生かした”のだ。

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