【第1部】新歓コンパの熱気──無邪気さの奥で芽生えたざわめき
私は 佐伯紗季(さえき さき)、十八歳の大学一年生。入学したばかりの春、まだ右も左もわからない私にとって、新歓コンパは大人の世界への入り口だった。
居酒屋のざわめき、ジョッキを重ねる音、アルコールに赤らんだ先輩たちの笑顔。場違いなようで、どこか心地よい。
私の両隣に座ったのは、二人のイケメン先輩だった。
ひとりは二十二歳、真面目そうで落ち着いた雰囲気を纏う 悠人(ゆうと)。
もうひとりは二十三歳、明るく軽やかで誰とでもすぐに打ち解ける 亮介(りょうすけ)。
「一年生、飲める?」
差し出されたグラスに頷き、口にしたお酒は思ったよりも甘く、すぐに頬を熱くした。
笑って、はしゃいで、何度も乾杯を繰り返す。気づけば身体はふわりと浮き上がり、視線を交わすたびに悠人の瞳が妙に胸をざわつかせていた。
終電を逃した午前三時、私たちはコンビニの灯りに照らされながら、帰る場所を失っていた。
「どうする? タクシーも高いしな」
亮介が笑うと、同じ一年の女友達が「うち来れば?」と声を上げる。
そのまま流れるように、私たちは四人で彼女の小さなアパートへ向かった。
友達はベッドに身を沈め、亮介はソファで横になる。
残された私は、悠人と床に雑魚寝することになった。
互いの身体が触れそうで触れない距離。酔いの熱と静寂に包まれた空気が、妙に濃く感じられた。
やがて悠人は、子どものように私の膝に頭を置いた。
「……先輩、重いですよ」
小声で言うと、彼は目を閉じたまま微笑む。その仕草に胸が高鳴り、眠気を誤魔化すように私は横たわった。
気づけば、彼の顔は私の下腹のあたりに、私の顔は彼の腰のあたりに──横向きのまま、奇妙に絡み合うような体勢になっていた。
【第2部】眠りのふりをした愛撫──大学一年が知った濡れの予兆
うとうとした瞬間、太ももに触れる温かい指先で目が覚めた。
「……え?」
寝ぼけているのか、それとも意図的なのか。拒む声を出そうとしたけれど、酔いと眠気が絡まり、口からは何も出てこなかった。
指先は布越しに秘められた部分をなぞり続ける。
「だめ……」心の中で繰り返しながらも、腰はわずかに震えていた。
友人の寝息、ソファから聞こえる亮介のうなり声。誰かに気づかれるかもしれないという緊張が、むしろ全身を熱くした。
「んっ……」
かすかな吐息が漏れた途端、悠人の手はさらに深く忍び込む。ショートパンツの裾をずらされ、下着越しに直接触れられたとき、全身が電流のように痺れた。
「先輩……っ、それ以上は……」
震える声で訴えても、彼は微笑むだけ。やがて布を完全にずらされ、朝焼けに晒された私は羞恥に震えた。
濡れているのが、自分でもわかる。
指先に確かめられた瞬間、羞恥は甘い快感に変わり、声を噛み殺すのが精一杯だった。
次の瞬間、熱い舌が私を舐め上げる。
「……っ、あぁ……」
静まり返った部屋に響くのは、水音と私の抑えた喘ぎ。
羞恥と興奮に震えながら、私は無意識に彼の腰に手を伸ばしていた。硬く張り詰めた熱を確かめた途端、唇が自然に触れていた。
互いに横たわったまま、唇と舌で貪り合う。
横向きのシックスナイン。
友人が寝返りを打つたび、心臓が止まりそうになり、それでも私たちは離れられなかった。
【第3部】キッチンで封じ込められた激情──大学一年の私が迎えた絶頂
しばらく唇と舌を重ねたのち、悠人は身を起こし、私に深い口づけを落とした。
「どうする?」
耳に触れる低い声に、私は一瞬で現実に引き戻される。
「……ここじゃ無理」
そう囁いた私の手を引き、悠人は静かに立ち上がった。
友人と亮介が眠る部屋を抜け、キッチンへ。
扉を閉めた途端、背を押しつけられ、冷たい床に倒れ込む。
「もう、止められない」
彼の囁きと同時に、私は深く貫かれた。
食器棚にぶつかる音がガシャンと響く。
「……っ、だめ、聞こえちゃう……」
声を殺す私を見下ろしながら、彼は腰を激しく打ち付ける。恐怖と羞恥の狭間で、私は理性を失い、快楽だけに溺れていった。
「紗季……気持ちいい?」
耳元の囁きに、私は震える声で応える。
「……もっと……奥まで……」
後ろから深く突き上げられるたび、身体の奥が熱く痺れ、思考は真っ白になった。
「もう……出そう」
彼の声が震える。
「どこに……?」答えられずにいる私に、彼はさらに速さを増す。
「……中でいい?」
言葉を待つ間もなく、熱が奥に流れ込む。
「……っ、あぁ……!」
絶頂に飲み込まれ、私は全身を震わせた。
しばらく繋がったまま、朝の光に照らされながら息を整える。
「こんなこと……二度と……」そう呟きながらも、彼に抱きすくめられた身体は、次を求めていた。
やがて身なりを整え、私たちは誰にも気づかれないように部屋を抜け出す。
そのまま悠人のアパートへ──そして再び、夜明けの続きを貪った。
まとめ──大学一年が知った禁断の快楽と消えない余韻
新歓コンパの熱気から始まった一夜。
友人が眠る部屋での忍ばれた愛撫、静寂を裂く水音、そして狭いキッチンでの激情。
危うくて愚かで、取り返しのつかない選択。
それでも、大学一年の私には抗えない衝動だった。
朝焼けに溶けたその体験は、今もなお身体の奥で疼き続けている──。

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