触れない官能の夜|友人の夫に揺れた心の女性視点体験談

浮気がバレた絶倫ヤリチン夫を説教しにきた嫁の親友 本吉沙彩

夫婦の破綻を止めようと乗り込んだはずの親友が、理性の綻びを体験する——。
説教のつもりが、相手の言葉と視線に絡め取られていく。怒りが熱に変わり、視線が呼吸を乱す。その一瞬を切り取るカメラは、欲と理性の境界線を鮮やかに照らし出す。
「触れない緊張」から「抗えない衝動」へ──沙彩の表情に映る心の揺れは、まるで人間の本能そのもの。
大人の関係が崩れる瞬間を、美しくも危うく描いた心理ドラマ作品。



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【第1部】正義の舌で噛んだ言葉──“友を守る”と“見たくない現実”がぶつかる玄関先

私は呼び鈴を押す前から、喉の奥に苦い鉛の玉を転がしていた。友人の涙の色は、電話越しでもわかる。張り裂ける音はしなかったのに、わずかな沈黙が、いちばん大きな悲鳴に聞こえたから。

靴音が近づく。扉が開く。彼――友の夫は、思ったよりも静かな目をしていた。静かすぎて、私は正義の鎧を少しだけ握り直す。
「話をしましょう。今日は、逃げないでください」
まずは定型句。けれど声は、私の胸で鼓動に押され、少しだけ早足になる。

散らかったリビング。誰かがここで笑って、誰かが泣いた痕跡が、コースターの輪染みに沈んでいる。私は紅茶を断り、テーブルの端に指先を置く。指紋が残るなら、証拠として私の潔白を示してほしいと、そんな馬鹿げた願いを思う。
彼は自分の言い分を、淡々と並べる。「誤解です」「そんなつもりじゃ」「向こうが勝手に」――私の鼓膜が、それぞれの言葉に小さな刃を付けて返してくる。私は切れないナイフで彼の理屈を刻み、皿の上に整えるつもりで来たはずだった。

けれど、ふいに彼は冗談めかして笑う。「だって僕、そういう体質なんですよ。寄ってくるんです、向こうから。困るくらいに」
軽口のつもりの一言が、私の正義の舌を噛ませる。たちまち口内に、鉄の味が広がる。怒り――のはずだった。なのに、怒りの表面で、別の感情が泡立つ音がした。

「見せましょうか?」
空気が止まった。誰の息も動かない秒が、部屋の時計から落ちてくる。
「あなたが、そんなふうに言うなら」
私の声は乾いていた。砂漠で擦れた葉のように。

彼が立ち上がる。私は視線を外すつもりだった。外すはずの視線は、けれど、見てはいけない角度の影を拾い上げる。シャツの皺、骨ばった手首、呼吸の上下、余計な自信を纏った沈黙――ほんの、輪郭。輪郭だけ。
見ていない。見てしまった。
胸の奥に、ひやりとした針が一本、静かに刺さる。

「やめなさい」そう言うべきだった。友の名を出し、彼の軽率を責め、ドアの外へ彼の自尊心を追い出すべきだった。
なのに私は、わずかに頷いた。頷いたのは、正義か、好奇か。自分の中の家庭裁判所で、判決文を書こうとする手が震えた。

【第2部】許されない興味の温度──視線と沈黙だけで濡れていく思考の奥

私はソファの背にもたれ、背骨を一本ずつ数えるみたいに呼吸を整えた。彼は対面に立ち、何も急がない。急がないことが、いちばんの挑発であることを、彼は知っているのだろう。
「からかうつもりだったんでしょ?」
彼の言葉は柔らかいが、弾力がある。私は鋭く返す代わりに、沈黙を選ぶ。沈黙は、いちばん強い意見になる時がある。

光がカーテンの隙間から斜めに差し込み、私の膝の上で午後を切り分ける。斜光は、物を実寸より大きく見せる。たぶんそれは、光の錯覚。けれど錯覚は、心にとっては真実になる。
彼が一歩、近づく。私は一歩、内側へ下がる。内側――つまり、自分の身体の内部に。
耳の後ろで鼓動が弾む。喉の奥、飲み込めない小石が転がる。指先が冷えて、掌があたたかくなる。矛盾の並び方が、官能の最初のかたちだと、私はこの瞬間に知る。

「見栄じゃないの?」
声は掠れていた。問いの形をとった告白。
彼は笑わない。代わりに、空気を撫でるような仕草でシャツのボタンを指で弾く。私は視線を一点に固定できず、壁の時計、観葉植物、テーブルの木目――安全な場所を次々に渡り歩く。だが安全は、すべての距離を失うとたちまち危険に変わる。視界の端で、彼の存在が濃くなる。
見ないようにして、私は見ていた。

「……沙彩さん?」
名前を呼ばれた。音節が肌を這い、褒めてもいないのに褒められたような錯覚が、身体のどこかを甘く腫らす。
「やめましょう。私は、友だちの味方で」
「だからこそ、確かめに来たんでしょ」
彼の言葉は、私の中に“見せかけの善”の薄紙がいくえにも重なっていたことを暴く。善は薄い。熱で簡単に透ける。私は自分の影を見た。影は、私の形を忠実に写しているのに、私よりも私の欲望をよく知っている。

私は立ち上がり、距離を取る。テーブルを回り、台所の角に逃げる。彼は追わない。追わないことで、距離は追い詰められる。
「触れないで」
私は先に言った。彼は頷く。「触れない」
触れない、と約束された瞬間、触れたいが膨らむ。この矛盾を理解するには、たぶん長い人生がいる。だが私の身体は、会得が早かった。触れない距離で、敏感になっていく皮膚。そこに流れる空気の速度を、私は数字で記録できる気がした。
触れないで、壊れていく。
私の理性は、ゆっくりと音を立てて、でも確実に、軋み始めた。

【第3部】理性が崩れる寸前の夜──“触れない契約”が一番の官能になる

夕方が夜に重なるとき、世界はもっともやわらかい。窓の外の明かりが点り始め、部屋は反対に影を濃くする。影は、心の中とよく似ていた。輪郭が曖昧なほど、中心は熱を持つ。
私は帰るべきだった。鞄を取り、靴を履き、扉を閉めるべきだった。
けれど、私は座り直し、指でコップの水滴をなぞった。
「……一つだけ、教えて」
「何を」
「あなたは、本当に“向こうから寄ってくる”だけなの?」
「違うときもある。けれど、今日は――」
彼は続けない。言葉の先端を、空気の中に宙吊りにする。その未完の形が、私の中で勝手に補完される。想像は、事実よりも強い。事実はひとつだが、想像は無数だから。

私は深く息を吸い、胸の奥まで酸素と一緒に羞恥と興奮を運び込む。
「触れないって、約束したわよね」
「うん」
「なら、ここに立って」
私は指で床を示した。距離は、掌二つぶん。たったそれだけの遠さが、天文単位に感じられる。
彼は言われた通りに立つ。私も立つ。目の高さが、ほぼ同じになる。見つめることは触れることよりも、残酷なときがある。
「……呼吸がうるさい」
私が言うと、彼は笑いかけてやめた。
「あなたのもね」
そのやめた笑いが、私の鎖骨のあたりで弾んだ。

触れない。だから、香りが立つ。石鹸、水、昼間の汗、洗いたての綿の匂い。人間の生活の匂いが、いちばん挑発的だと、どうして今まで気づかなかったのだろう。
私は目を閉じる。暗闇の中で、距離が均一になる。闇はすべてを等価にする。私の中で、正義も欲望も、同じ重さで皿に載る。
「帰る」
やっと言えた言葉は、溜息に似ていた。
「送るよ」
「いらない」
「触れないから」
彼の低い声が、私の背骨の奥のスイッチを指先で探す。押される前に、私は歩き出した。

玄関。手に触れたのは、冷えた金属の感触。扉を開ける。夜の空気は、思いのほかやさしかった。背後で、彼が立っている気配がする。振り向かない。振り向いたら、契約が破れるから。
「沙彩さん」
名前を呼ばれた音が、背中を渡っていく。
私は首だけ少し傾け、目線を床に落とした。
「あなたの言い分は、私の友だちには通用しない」
「うん」
「でも、今日の私には――少しだけ、通ってしまった」
告白にも似た言葉は、私を罰する代わりに、奇妙に軽くした。
「だから、もう会わないほうがいい」
「そのほうがいい」
「でも、もし――」
私は自分で自分の口を噛んだ。未完の言葉は、いちばん熱い。
「さよなら」
ドアを閉める間際、私は初めて彼をまっすぐ見た。触れない契約のまま、目だけで。
その夜、私は何もしていない。
けれど、身体のどこかは、はっきりと“起きて”いた。

余韻のまとめ──触れない官能は、なぜ理性を軋ませるのか

触れないことが、最も濃い接触になる瞬間がある。視線、呼吸、距離、名前を呼ぶ声――それらはすべて、皮膚より深い場所で作用する。
この体験で私が知ったのは、欲望はしばしば“善”の仮面の裏から芽吹くということだ。友を守るために訪れたはずの私の正義は、熱に炙られて薄くなり、向こう側から透けてくる私自身の影を、私は嫌でも見せられた。
それでも、触れない契約は守られた。境界線があるからこそ、私の理性は最後の一本の梁で持ちこたえ、世界は崩れなかった。
けれど、崩れなかった世界の内部では、何かが静かに組み替わった。私のなかの“私”の位置が、数ミリずれた。誰も気づかないほどの微細な移動。だがそのずれは、次の選択の瞬間に、物語の行き先を変えるかもしれない。

――私は今も、触れない距離の官能を思い出す。あの夜の重さと軽さを、胸の真ん中で転がしながら。
善は薄い。けれど、薄いからこそ美しいときがある。透ける布の向こうに、私たちは自分の影を見つける。影は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつも私たちの言葉のほうだ。

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